猫背になる原因とデメリットとは?改善するための生活習慣

猫背は、さまざまな悪い生活習慣、原因が積み重なることで、徐々に背中が丸まっていってしまうものです。

ふと自分の全身を鏡で見たときや、人に姿勢の悪さを指摘され、はじめて自分がひどい猫背であると気づく、という場合もあるかもしれません。

猫背になると見た目の印象が悪くなるほか、体にも悪影響が出てきます。では、猫背になるとどのようなデメリットがあるのか、姿勢を改善する方法とあわせて解説いたします。

目次

猫背とは

そもそも猫背とは、座ったときの猫のように背中が丸まり、首が前に出てしまう状態のことです。日本人のじつに6割が猫背であるといわれています。

もともと人間の背骨はゆるやかなS字のカーブ状であり、このカーブがスプリングのように、歩く際の衝撃などを緩和するはたらきがあります。

しかし、猫背はこのカーブが極端なS字になってしまう、もしくは背中の部分が直線状になってしまうなど、変形してしまった状態です。

ひと口に猫背といっても、その人の生活習慣やクセにより、たとえば頭が前に出ているタイプ、お腹が前に出ているタイプなど見た目も異なり、おもに次の4つに分類されます。

頚猫背タイプ:頭が前に出て見えるタイプ
お腹猫背タイプ:反り腰でお腹が前に出ているタイプ
腰猫背タイプ:腰の部分が丸まっているタイプ
背中猫背タイプ:背中の中心が丸まっているタイプ

猫背になる原因

古くから日本人は農耕民族であり、田植えや収穫など身体をかがめて作業をすることが多く、前側の筋肉が強くなっていったといわれます。

このような歴史的・遺伝的背景もあり、日本人は骨盤がうしろに倒れやすく、肩が前に出て猫背になりやすい骨格をしているのです。

ちょっとした生活習慣やクセで猫背になりやすいため、猫背を防ぐためには原因を知っておき、適宜身体を反らすなどふだんから姿勢に注意することが重要です。

では、どのような原因で猫背になってしまいやすいのか、よくあるものをご紹介いたします。

スマホの長時間利用

スマホの画面を見るとき、つい覗き込むような姿勢になる人は多いです。この姿勢で長時間利用すると背中が曲がり、肩が内巻きになって、やがて猫背になってしまいます。

また、悪い姿勢でスマホを長時間利用すると、本来ゆるやかなアーチ状である首の頸椎が真っ直ぐになってしまう「ストレートネック」の原因にもなります。

悪い姿勢での長時間デスクワーク

デスクワークは頭が机やパソコンの画面と接近し、背中が丸まって悪い姿勢になってしまいやすいです。

このような状態で長時間座り続けると肩や腰が強張り、悪い姿勢のまま固まってしまいます。また、体に合わない椅子を使っている場合も猫背の原因になります。

運動不足

日常生活のなかで、たとえば日課でジョギングやジム通い、スポーツをしているなどがないと、なかなか運動する機会はないかもしれません。

猫背の人には、ふだん運動をする習慣がなく、筋力が低下してしまっているケースが多いです。

運動不足になると、正しい姿勢を維持するために必要な腹筋や背筋が衰え、結果的に背中が丸まってしまいます。

ストレス

ストレスを抱えていて悩みがちな人は、自然とうつむきがちになり、背中を丸める姿勢になってしまいやすいです。

背骨には全身をコントロールする重要な神経が通っており、これが猫背で圧迫されると自律神経に悪影響を与えるため、さらに精神面に悪影響を及ぼすという悪循環を招いてしまいます。

猫背のデメリット

猫背になると見た目が悪くなってしまうほか、体の痛みや不調など非常に多くの悪影響を及ぼします。具体的にどのようなデメリットがあるのか、まとめてご紹介いたします。

頭痛・肩こりなど体の痛み

悪い姿勢のまま長時間過ごすことで肩こりや腰の痛みが生じるだけでなく、肩こりが悪化すると首の痛みや頭痛の原因にもなります。

胃腸の不調・便秘

猫背は胃腸も圧迫するため、胃腸のはたらきを低下させて食欲不振や便秘を引き起こしたり、圧迫により胃酸が逆流して逆流性食道炎を引き起こす場合もあります。

精神的な不調

前述のように背中が丸まると背骨を圧迫し、自律神経に悪影響を及ぼします。自律神経が乱れると不安や緊張感が高まり、情緒不安定、イライラ、うつ症状が出る場合もあります。

疲れやすくなる

前かがみの姿勢は肺を圧迫し、また背中が丸まっていると深い呼吸がしにくいため、十分な酸素を取り込みにくくなり、軽い酸欠状態となってしまいます。

十分な酸素が取り込めないと体が疲れやすくなり、集中力の低下を招くほか、代謝の低下や睡眠の質を悪化させるなど多くの悪影響を及ぼします。

代謝の低下・太りやすい

長時間同じ姿勢でいると筋肉の動きも悪くなります。この部分が凝って血行が滞ると新陳代謝を阻害し、手足の冷えやむくみ、肌荒れを引き起こしたり、太りやすくなったりする場合もあります。

簡単!猫背の改善するための習慣

では、猫背を直すには生活のあらゆる場面で何に気をつければよいのか、改善するためにはじめたい習慣をご紹介いたします。

デスクワークのとき

デスクワークのときは、つい椅子に深く腰掛けて背もたれに背中をべったりつけてしまう、もしくは背中を丸めた状態で頭だけ前のめりになりがちです。

そうならないように椅子には浅く座り、背中を背もたれにつけないようにしてみてください。また、脇が開くと肩を内側へ巻き込みやすいため、軽く脇も閉めます。

そして、長時間座りっぱなしになってしまわないように、できれば1時間に1回は立ち上がってストレッチや休憩をし、姿勢をリセットしてください。

スマホ操作のとき

スマホの位置が下の方にあると、画面を覗き込むようにして頭が前に出て姿勢が悪くなってしまいます。

そこで、スマホは顔の高さまで上げるようにして、背筋を伸ばしたままの状態で利用するのがおすすめです。

また、長時間の使用は猫背だけでなくストレートネック、眼精疲労や顎関節症の原因にもなります。あまり使いすぎないように気をつけてください。

寝るとき

寝るときは人それぞれに好ましい向き、寝相があるかもしれません。自分のリラックスできる姿勢が一番ですが、違和感や痛みがなければ仰向けがおすすめです。

高い枕はストレートネックの原因にもなるため、こちらも違和感がないようであれば、低めのものを選ぶとよいでしょう。

また口呼吸は体を緊張させ、猫背になりやすくなるため、マウステープなどを使って口呼吸にならないように心がけるのも重要です。

まとめ

このように猫背になってしまうと、次のようなデメリットがあると解説いたしました。

  • 頭痛・肩こりなど体の痛み
  • 胃腸の不調(食欲不振、便秘、逆流性食道炎など)
  • 自律神経の乱れによる精神的な不調
  • 疲れやすくなる、集中力の低下
  • 代謝の低下による手足の冷え、むくみ、肌荒れ、太りやすい

とくに背骨の圧迫による自律神経の乱れ、肺の圧迫による酸欠状態は全身のさまざまな不調の原因にもなるため、猫背は侮れないということがお分かりいただけたはずです。

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