眠りが浅いとはどんな症状?現代人の睡眠には問題がある

目次

眠りが浅いとはどんな症状?現代人の睡眠には問題がある

眠りが浅いと感じる場合、睡眠に問題があるかチェックすることが大切です。

また、睡眠が浅くなる原因を知ることで、改善する手段が見つかります。

眠りが浅いとは?睡眠に問題があるかチェックしよう

眠りが浅いとは、睡眠の質が低く熟睡できないということです。

深く睡眠をしたいのに、不快感などで目が覚めたり眠りが浅くなったりして、熟睡時間が短くなります。

睡眠不足によって疲れやストレスが取れず、日中の集中力やパフォーマンスに影響を与えているのであれば、眠りが浅く睡眠に問題があると言えるでしょう。

また、深い睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが大きく関わってきます。

眠りが浅い時は、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れ、深い眠りに必要なノンレム睡眠の割合が低くなっています。

ストレスなどの心理的な問題や環境の変化など、眠りが浅くなる原因はさまざまです。

睡眠を改善したいのであれば、自分についてよく知り、適切な改善方法を見つけましょう。

現代人の多くはちゃんと眠れていない

現代人は、十分な睡眠を取れてない人が多いと言われています。

アメリカの国立衛生研究所の調査によると、アメリカ人の約30%は十分な睡眠をとっていないという結果が出ました。

また、2019年の日本の厚生労働省による「国民健康・栄養調査」の結果を見ると、日本人の約40%が1日の睡眠時間が6時間未満であると報告されています。

さらに、睡眠が「あまり取れていない人」と「全く取れていない人」の合計は、男性19.7%、女性19.6%という結果が出ました。

つまり、日本国民のほぼ5人に1人は、睡眠の質が悪く問題を抱えているということです。

これらの調査結果から、現代人の中には十分な睡眠をとっていない人が一定数存在していると考えられます。

※ 参考:厚生労働省平成28年「国民健康・栄養調査
※ 参考:アメリカ 国立衛生研究所「National Institutes of Health, National Heart, Lung, and Blood Institute

眠りの浅い人は夢ばかり見る?

眠りが浅い人の中には「夢ばかり見る」「悪夢を見る」といった人が多い傾向が見られます。

ただし、夢ばかり見る理由については完全に解明されていない部分が多いですが、以下のような仮説があります。

  • レム睡眠の影響
  • 脳の活動
  • ストレス

レム睡眠や脳の活動は夢に影響する

夢を見るのは、浅い眠りの状態であるレム睡眠の時間帯だと言われています。

レム睡眠の時間帯が長く続くと、深い眠りのノンレム睡眠になかなか入れず、結果として夢を見る頻度が高くなりやすいのです。

また、脳が常に活発に働いていることで、夢を見る機会が多くなるという説もあります。

眠りが深いノンレム睡眠中は、脳の活動が低下するため、夢を見る頻度が低くなると言われています。

夢を見るのはストレスが原因の可能性もある

ストレスが夢の原因となることもあるそうです。ストレスを抱えている人は、ストレスに関する夢をよく見る傾向があると言われています。

日々の仕事でストレスが溜まっている人などは、仕事の夢を見やすいなどが例として挙げられるでしょう。

夢は脳が日中に経験したことや感情を整理し、ストレスを解消するための役割を持っています。

そのため、ストレスに関する夢を見ることでストレスを解消して、精神的に改善している場合もあるそうです。

ただし、悪夢を見るなど、夢が逆にストレスを増やすこともあります。また、夢で不安や恐怖を感じ、ストレスとなることもあるでしょう。

以上のように、夢に対してストレスを抱えているのであれば、深く睡眠ができるよう改善する必要があります。

なぜ眠りが浅くなる理由は?原因について解説

眠りが浅くなる理由は、以下の7つです。

  • ストレス
  • 体内時計・自律神経の乱れ
  • 寝るまでの準備不足や生活習慣
  • スマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用
  • 食事やアルコールの摂取
  • 運動や興奮すること
  • 快適な睡眠環境の整備

ストレス

眠りが浅くなる原因は多岐にわたりますが、ストレスが原因の1つとして考えられます。

ストレスを感じると、興奮の原因となる交感神経が優位になり、体内にはストレスホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。

これらのホルモンが分泌されることによって、心拍数や呼吸数が上がり、眠りが浅くなるのです。

そのため、眠りが浅いと感じる人は、ストレスを解消しましょう。

ストレス解消法は、運動や食事、遊びなど人によって異なるため、自分に適したストレス解消法を見つけることが大切です。

体内時計・自律神経の乱れ

体内時計や自律神経の乱れも眠りの質に大きく関わっています。

体内時計は、24時間周期で体内のリズムをコントロールしており、乱れると睡眠の質が低下することがあります。

体内時計の乱れを引き起こす原因としては、特に夜更かしや急な早起きなどです。

また、自律神経も眠りに重要な役割を果たしています。自律神経で重要なのは、交感神経と副交感神経のバランスです。

副交感神経が優位な状態であると体がリラックスするため、眠りに入りやすくなります。自律神経の乱れは、ストレスや生活習慣などが主な原因です。

以上のように、体内時計や自律神経の乱れは睡眠の質に影響を与えます。

規則的な生活リズムを保ちストレスを減らすなど健康的な生活習慣を心がけることで、深く睡眠が取れるようになります。

寝るまでの準備不足や生活習慣

寝る前の準備不足や不規則な生活習慣も、眠りの質を低下させる原因です。具体的には、以下のようなことが挙げられます。

スマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用
食事やアルコールの摂取
運動や興奮すること
快適な寝室環境の整備

スマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用

現代人は、スマートフォンやパソコンなどを触る機会が多くなってきています。

寝る前にスマートフォンやパソコンを触ることにより、ブルーライトからの強い刺激を受けると体内時計が狂い、睡眠の質が低下してしまうのです。

また、ブルーライトによる効果だけではなく、スマートフォンやパソコンには精神的な興奮作用もあります。

SNSなどでさまざまな情報を見れば、脳が興奮してしまい、深い睡眠の妨げとなってしまいます。

食事やアルコールの摂取

寝る前に大量の食事やアルコールを摂取することも睡眠の質を低下させます。

大量の食事で睡眠が低下するのは、胃が活発に動くからです。胃が活発に動くことで、身体が興奮状態となり、眠りが浅くなります。

特に油っぽかったり刺激が強かったりする食べ物は、胃に負担がかかるため注意が必要です。

また、アルコールには一時的なリラックス効果があるものの、消化される段階でアセトアルデヒドという物質が発生します。

アセトアルデヒドは体内の水分を奪う性質があり、頭痛や喉の渇きを引き起こします。

結果として、不快感が身体に起こって睡眠の質が低下するため、眠りが浅くなるのです。

運動や興奮すること

睡眠の質を上げるために運動の習慣を身につけることは最適ですが、寝る直前の運動は睡眠にとって不適切です。

寝る前に運動すると、体が興奮状態になってしまいます。興奮状態になると、なかなか眠れずに眠れたとしても睡眠が浅くなる原因となります。

また、運動だけではなくスリリングな映画や激しい音楽といった興奮するようなことも、睡眠が浅くなる原因の1つです。

深い睡眠を取るためには、寝る前に身体をリラックスさせられる落ち着いた環境で過ごすことが重要です。

快適な睡眠環境の整備

睡眠環境が快適であるかどうかも、睡眠の質に大きく影響します。もし睡眠環境を変えたいのであれば、以下を意識しましょう。

光:できるだけ暗くする
静かな環境にする
温度:18℃から24℃の間に設定する
寝具:不快感がないものにする

眠りを深くするためには、暗く、静かで、過ごしやすい気温であることが大切です。
また寝心地の良い寝具を選べば、リラックスができるため、身体が落ち着いて深い睡眠に入りやすくなります。

深い睡眠を取るには?睡眠の改善方法

深い睡眠を取るには以下の4つが効果的です。

  • 正しい生活リズムに戻す
  • 寝る直前の行動を変える
  • お風呂に浸かって身体を温める
  • 長い二度寝を避ける

正しい生活リズムに戻す

睡眠と生活習慣は大きく関係します。睡眠に問題を抱えているのであれば、まずは生活習慣を見直しましょう。

生活習慣を戻す際は、寝る時間と起きる時間を決めることが大切です。

毎日同じ時間に寝て起きるといったことを繰り返すことで、体内時計が整い、睡眠の質が向上します。

また、朝起きてすぐに太陽を浴びることも、体内時計に良い影響を与えます。

寝る直前の行動を変える

寝る直前はなるべくリラックスできる環境を作り、脳に刺激を与えて興奮させるものは避けましょう。

特に寝る直前にスマートフォンやパソコンなどの電子機器を触ることはNGです。

また、寝室の環境も変えましょう。

天井のライトを消して少しの明かりだけで過ごすなど、リラックスできるような環境を作りましょう。

部屋を暗くして静かにするだけでも、大きなリラックス効果が期待できます。

お風呂に浸かって身体を温める

寝る前にお風呂で身体を温めることは、良質な睡眠を促す効果があります。

お風呂に入ると体温が上がり、その後は体温が下がります。この体温の変化は、体内時計を整える効果があり、睡眠の質を向上させる効果があるのです。

また、お風呂に入ることで、身体がリラックスしてストレスや緊張が緩和される効果も期待できます。

ただし、お風呂の温度や入浴時間には注意が必要です。

お風呂の温度が高すぎると、逆に体温が上がりすぎて入眠が困難になることがあります。

加えて、入浴時間が長すぎると疲れが取れずに睡眠の質が低下する可能性があるため、入浴は適度な温度と時間が大切です。

長い二度寝を避ける

睡眠不足は二度寝で改善できます。ですが、二度寝は睡眠の質を大幅に改善するわけではありません。

また、二度寝は起床時刻が遅れるため、生活リズムが乱れる原因にもなってしまいます。

睡眠の質を向上させるためには、睡眠時間を一定にし、毎日同じ時間に寝起きすることが重要です。

二度寝しなくても良いよう、規則正しい生活リズムを維持するように意識しましょう。

睡眠に効果のあるサプリや漢方

睡眠に効果のあるサプリや漢方は、以下のようなものが挙げられます。

メラトニン:
自然な睡眠周期を調節するホルモン。

ギャバ:
中枢神経の鎮静化によるリラックス効果。

バレリアン根:
中枢神経の鎮静によるリラックス効果。

カモミール:
リラックス効果。

酸枸剤(さんかぞう):
神経の興奮を抑制する効果。

グリシン:
中枢神経の鎮静化によるリラックス効果。

以上のようなサプリや漢方は睡眠に効果があると言われています。ですが、それぞれの効果の感じ方には個人差があります。

そのため、自分に適したサプリや漢方を知りたければ医師や薬剤師に相談しましょう。

年齢によって眠りの浅さが異なる?

年齢によって睡眠の質が異なる場合もあります。

特に更年期の人や子供が早く目が覚めてしまうのであれば、原因を知ることが大切です。

更年期は睡眠が浅くなりがち

更年期は、女性ホルモンの減少によってさまざまな症状が現れる時期であり、睡眠の質の低下もその一つです。

更年期における睡眠障害に悩んでいる場合には、医師や薬剤師に相談することが望ましいとされています。

適切な治療を行って睡眠の質を改善すれば、更年期をより快適に過ごせるようになります。

すぐ起きる子供は睡眠が浅いとは限らない

子供の睡眠において、すぐに起きることがある場合、睡眠が浅いとは限りません。

深い睡眠から浅い睡眠へと移行していく過程で、子供は目を覚ましやすいため、すぐに起きることがあるのです。

ただし、すぐ起きる現象が頻繁に起きているのであれば、医師に相談しましょう。もしも問題があれば、適切な治療を行い、子供の睡眠の質を改善することが大切です。

眠りが浅い原因を知って改善しよう!

眠りが浅い悩みを持っているのであれば、まず原因を知ることが大切です。

日々の生活の中で何が良くないのかを知り、改善しましょう。

ただし、睡眠の問題は一人で解決できないこともあります。

解決が難しかったりすぐに解決したいのであれば、医師に相談して症状を見てもらいましょう。

目次